1日&1か月のスケジュール
高齢化の進行に伴い、介護業界にも大きな関心が寄せられていますが、介護保険サービスの中核を担うために生まれたケアマネは介護職の中でも比較的新しい職種です。そのため、ケアマネという名前を知ってはいても何をやっている仕事なのか分からない、という人もいます。ケアマネの具体的な仕事内容をタイムスケジュールを通して確認していきましょう。
ケアマネの1日の流れ
ケアマネの仕事は居宅ケアマネか施設ケアマネかで大きく違ってきます。居宅ケアマネは前もって決められていた日程に合わせて利用者の自宅を訪問しモニタリングを行いますが、利用者の生活リズムは一人一人違うため、訪問する時間帯もそれぞれ異なります。1日の流れもその都度違いますが、まずは利用者の生活リズムをチャート化して訪問に最適な時間を割り出したり、過去の業務日誌から電話相談の多い時間帯を把握したりなど、利用者の対応の時間から1日のスケジュールを決めていきます。そして、空いた時間に対応業務以外の仕事を入れていきます。
一方、施設ケアマネは勤務先で利用者がすでに生活しておりすぐに体調を確認することができるため、利用者の対応時間はそれほど多い割合ではありません。そのため、対応業務以外のほかの仕事に多くの時間を割くことができます。
1ヶ月の流れ【月初め】
次にケアプランの作成から調整業務まで、さまざまな業務を行っているケアマネの1ヶ月の流れを見ていきましょう。
月初めの1週目あたりから「介護保険に伴うお知らせ」が利用者に配達されます。まずは担当している利用者にきちんと書類が届いているか確認し、その後、「更新書類の代行申請」や「調査委託後の聞き取り調査」を行います。
また、給付管理業務も月初めの仕事のひとつです。事業所から前月の月末にサービス利用実績が伝達されるため、内容を確認し給付管理票を作成していきます。この業務は大体10日までに終わらせなければなりませんが、地域包括支援センターから介護予防プランの作成を委託されている場合は、担当する利用者のサービス実績も給付管理表と合わせて10日までに提出します。
1ヶ月の流れ【中旬ごろ】
担当する利用者の状態に変化がないか、最低でも月に1回、20日までには訪問してモニタリングをしましょう。利用者の状態を確認するのはもちろん、介護サービスの内容が合っているかも確認していきますが、気軽に話してもらえるよう、雑談を交えたりしながらリラックスできる雰囲気作りを心がけるのがポイントです。
介護を行っている間に、利用者の状態が急変したりご家族が病気やケガで介護ができなくなったり、といった事態になることがあります。その場合は再度、どのような状況かを確認して必要があればサービス内容を変更していきます。内容を変更するためにはサービス担当者介護を開き、各機関と調整していかなければなりません。このとき中心になるのがケアマネなので、会議の準備なども並行してすすめていきます。
また、新たな介護保険証は介護認定の調査から30日で利用者のもとに届きます。ケアマネはその認定状況のもと、新たなケアプランを作成していきます。
1ヶ月の流れ【月末】
翌月のサービス提供票を作成して各事業所に配布します。郵送やFAXでも構いませんが、なるべくならどんな状況か実際に確かめるために、直接訪問して手渡しした方がいいでしょう。配布期間は厳密に決められているわけではありませんが、翌月の予定を組むなど事業所側にもやらなければならないことがあるため、月末ギリギリの発送は避けた方が無難です。
また翌月に向けて必要なこと、たとえば「介護保険の更新者の有無」「祝日のサービス調整の確認」「ケアプランの見直しが必要な利用者の確認」など、あらかじめ確認しておけば月が替わってバタバタとすることはありません。